トップページ > 天使ママ・パパに向けたお手紙 >死産した赤ちゃんの火葬までに知っておきたいこと
※最終更新日:2025年4月11日
(内容は日々追記・アップデートしています。)
流産・死産、新生児死──それは突然訪れる、あまりにも辛い出来事です。
混乱や悲しみの中で、赤ちゃんのお見送りが刻々と迫るにつれ、どうすればよいのか、迷いや分からないことが多く生じると思います。
この記事では、実際に赤ちゃんとのお別れを経験した約300名の天使ママ・天使パパの声をもとに、
火葬までの流れ・行政手続き・赤ちゃんとの過ごし方・お見送りの準備・副葬品について、詳しくまとめました。
これから小さないのちとのお別れを経験するママ・パパにとって、少しでも心の支えになりますよう願っています。
調査方法:Instagramのアンケート機能、質問ボックス、DM
調査日:2023年9月21日~22日
回答人数: 301名
小さな赤ちゃんの火葬に関する非常にデリケートな内容です。
どうかご自身のお気持ちを優先で、無理のない範囲で見ていただければ幸いです。
※この記事は、たくさんの天使ママ・天使パパが、深い悲しみの中でも、他のママ・パパのためになればと、つらい気持ちをかかえながらもご経験を教えてくださいました。
当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。ご協力いただいたママ・パパのお気持ちを守るためにも、お願いいたします。


★ 行政手続きと注意点
まずは、医師からの説明や診断書類の受け取りが必要となり、妊娠週数により提出する書類が異なります。
多くの方が混乱の中で手続きを進めなければならず、身体と心の状態に配慮しながら進めていただけると幸いです。
■言葉の定義
妊娠週数により、必要となる手続きが異なります。
ここで理解をより複雑にしてしまうのが、「日本産科婦人科学会」と「厚生労働省令」で流産・死産の定義が異なることです。
「日本産科婦人科学会」では、妊娠22週未満を「流産」、妊娠22週以降を「死産」としているのに対し、
「厚生労働省令」では、妊娠12週以降を「死産」としています。(統計集計上「流産」の項目はなし)
このように、前者は医学的定義、後者は法的定義で相違があります。
行政手続きが必要になってくるのは、法的定義でいう死産の「妊娠12週以降」にお別れを経験した方です。
(「妊娠12週未満」のお別れの場合、行政手続きは必要ありません。)
妊娠週数別、ケース別に下記にて詳細を記します。

■妊娠週数別の必要な届出
【妊娠12週以降22週未満の場合(中期中絶を含む)と
妊娠22週以降にお腹の中で亡くなった場合】
・医療機関から「死産届」「死産証書(死胎検案書)」を受け取る
・死産から7日以内に届出人または医療機関の所在地の役所へ提出
※出生届の提出は必要なく、戸籍にも記載されません。この事実も、その後の人生を歩むママとパパの心を締め付けます。

画像左側:死産届(全国共通)、右側:死産証書(死胎検案書)
【妊娠22週以降に出生後に亡くなった場合(新生児死亡)】
・医療機関から「出生届」「出生証明書」を受け取る
・出生から14日以内に届出人の所在地、赤ちゃんの出生地、ママ・パパの本籍地のいずれかの役所へ提出

画像左側:出生届(全国共通)、右側:出生証明書
・亡くなった後に、医療機関から「死亡届」「死亡診断書(死体検案書)」を受け取る
・亡くなってから7日以内に、届出人の所在地、赤ちゃんの死亡地、本籍地のいずれかの役所へ提出

画像左側:死亡届(全国共通)、右側:死亡診断書(死体検案書)
・出生届は出生から14日以内、死亡届は亡くなってから7日以内に提出が必要となります。
※死産届ではなく「死亡届」が必要となりますが、そのためにはまず「出生届」を提出しなければなりません。
つまり「出生届」と「死亡届」を同時に役所へ提出しなければならないケースもあります。
「出生届」を提出しているので、赤ちゃんのお名前が戸籍に残ります。
■火葬許可証の取得方法
死産届または死亡届を提出後、役所より、火葬許可証が発行されます。
家族以外の方の代行も可能です。(その際は、委任状が必要な場合があります。)
※持ち物は地域により異なることがありますので、お住まいの自治体にご確認ください。

★ 火葬の手配方法と予約の流れ
気持ちの整理ができていない中で、わが子の火葬の手配をすることは難しいかもしれません。
いろいろな方法があるので、ママ・パパのお気持ちや体調に合わせて、参考にしてください。
※火葬許可証の取得前より、予約は可能です。
1. ご自身で手配
火葬場に直接連絡し、赤ちゃんの在胎週数を伝えて予約します。
お骨が残る可能性や火力調整の可否も確認しておきましょう。
上述した行政手続きも自分で行う必要があります。
火葬時に必要となる、赤ちゃんのお棺や骨壷も用意しましょう。
2. 葬儀会社に依頼
火葬場の手配や行政手続き、お棺や搬送も一括で代行してもらえます。
葬儀会社によっては、お棺、仏衣や霊柩車などもセットになった料金形態の場合もあり、
小さな赤ちゃんにとって必要のないものまでセットになる場合もあるようです。
ママ・パパ、そして小さな赤ちゃんが必要とするものを準備してもらえる業者を選んでいただければと思います。
3. 病院の提携業者に依頼
提携している業者でスムーズに手配可能です。
お骨が戻ってこない場合が多いので事前に確認が必要です。
天使のネームプレート(左)。天使のはな結び(右)

★ 火葬までの過ごし方(自宅での保冷について)
赤ちゃんが亡くなった後、火葬までの時間をどのように過ごすかは、ご家族のみなさまにとって非常に大切な意味を持つ時間になります。
自宅で赤ちゃんと一緒に過ごす際の方法や注意点について、整理しました。
■保冷管理の重要性
火葬まで日数がある場合、赤ちゃんの状態を保つために保冷してあげることが不可欠です。以下はよく行われる保冷方法です。
【ドライアイス】
葬儀社や病院、スーパーで入手が可能です。小さく砕いて使用します。
【保冷剤】
溶けたら都度、交換する必要があります。
※これらは、赤ちゃんに直接触れないよう、タオルなどを巻いて使用すると安心です。
【室温管理】
冬場以外は、室温はクーラーで18℃程度に設定し、涼しいお部屋でお過ごしください。
夏場は特に注意が必要です。

★ お骨を残すための工夫
赤ちゃんの大きさによっては、火葬後にお骨が残らないことがあります。
Soramusubiの独自アンケートで、実際に経験されたママ、パパから、「大切なわが子のお骨を残すために行ったこと」について、以下のような回答をいただきました。
・火力の弱い朝一番に火葬予約を取る
・火葬場に赤ちゃんの在胎週数・体重を伝えて火力調整の相談をする
・副葬品は棺の外に置く
※複数の火葬場に連絡し、問い合わせに対する丁寧さや説明の分かりやすさも比較する際のポイントになります。
より詳細な情報は、こちらの記事をご覧ください。

★ 火葬当日の準備と持ち物
火葬当日は、心身ともにお辛い時期かと思います。
以下に一般的な持ち物について、まとめましたので、参考にしていただけると幸いです。

火葬場や地域ごとに細かなルールや持ち物が異なることがあるため、
事前にご利用予定の火葬場に直接問い合わせし、確認することをおすすめします。

★ 骨壷、お棺と副葬品の準備について
■骨壷について
多くのママ・パパは骨壷選びに十分な情報を得ることができないまま決断を迫られます。
時間も選択肢も限られた中で、わが子に合う骨壷を「選ぶ」ことができなかったことに後悔を残しているママ・パパが多くいます。
収骨時は、仮の骨壷や容器を用意し、お気持ちが落ち着いてから気に入った骨壷にお引越しする方もいます。
赤ちゃんにぴったりな骨壷に巡り合うことができなかったというお声を元に、
Soramusubiでは赤ちゃんのための骨壷【天使のうつわ-赤ちゃんのお骨壷-】もご準備しています。
※骨壷の蓋に赤ちゃんのお名前の刻印も可能です。(追加費用はございません)
赤ちゃんの骨壷の選び方やお骨のお引越しについて詳しく知りたい場合は、こちらよりご確認ください。
■お棺について
通販で購入、または紙箱などで手作りすることもできます。
多くのママ・パパは、病院や葬儀社で用意されたお棺を使用しています。
■よく入れられる副葬品
赤ちゃん用品、お花、お手紙、折り紙などを準備をする方が多いです。
詳しくはこちらのページの▼ お棺に入れたものを参照ください。

華やかに彩られた赤ちゃんのお棺

★ 火葬に立ち会う人について
流産・死産・新生児死などでお子さまとのお別れを経験したママ・パパが、大切なわが子の火葬の際に、誰に立ち会ってもらったのかうかがいました。
両家の両親に来てもらう方が半数以上でした。
火葬場は、最後のお別れのようでとても辛く悲しい場所ではありますが、大切なわが子を親族に会わせてあげられて良かったと話してくれる方も多かったです。
きょうだい児については、その子の年齢によっては、小さな赤ちゃんの姿にびっくりしてしまう子もいるので、一緒に連れていく方、やめる方様々でした。

★さいごに
1人でも多くのママ・パパが後悔のないお見送りができるよう、Soramusubiではこうしたデリケートな情報も発信しています。
調べても正解が出てこないお骨、火葬、納骨、供養などについて、たくさんのママ・パパが深いグリーフを抱えながらもお話しして下さいました。
どんなお見送りの仕方であっても、そこにはご家族みなさまの深い愛情と想いがあります。
この情報が、少しでもあなたの支えになりますように。改めて、いつもSoramusubiとともに歩んで下さりありがとうございます。
