流産・死産・新生児死後の伝え方|話すタイミング・方法・実例と心のケア
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※最終更新日:2025年6月13日
(内容は日々追記・アップデートしています。)
わが子とのお別れという耐え難い喪失を経験した後、その事実を周囲の人たち、特に友人に伝えることは、想像以上に難しいものです。「友人にどう伝えればいいのかわからない」「なんて言葉にしたらいいのか迷っている」——多くのママ・パパが直面する悩みのひとつです。
この記事では、実際に死産・流産・新生児死を経験されたママ、パパたちが、「どのように周囲へ伝えたのか」、その具体的な言葉や手段、伝え方について、まとめました。
誰かに伝えることは勇気のいることです。今、迷っているママ、パパの心が、少しでも軽くなりますように。
※この記事は、たくさんの天使ママ・天使パパが、深い悲しみの中でも、
他のママ・パパのためになればと、つらい気持ちをかかえながらもご経験を教えてくださいました。
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★伝える前に:自分自身の心の準備
赤ちゃんとのお別れの直後は、言葉にする余裕がない方がほとんどです。
「伝えなきゃ」という焦りの気持ちが生まれてしまうかもしれませんが、何よりもママとパパの心と身体を守ることが大切です。
「伝えたほうがいいのか、どう伝えればいいのか、ずっと悩んでいましたが、やっぱり『今は話したくない』と思ったので、しばらく何も伝えずに過ごしました。」
無理して伝えることなく、しばらくそのまま過ごした方もいます。
伝える時期も方法も、「心が少し落ち着いたとき」でかまいません。

★伝え方は人それぞれ——ママたちの実体験
Soramusubiが行ったアンケートの結果では、実際に周囲へ伝えたママたちから、次のような声が届いています。
■年賀状に記載して伝えた
・「可愛い喪中はがきを作って送りました。」
・「年賀状に赤ちゃんがお空へ旅立ったことを書きました。」
■LINEで喪中のことを伝えた
・「仲の良い友達にはLINEで『お腹の中で元気がなくなって天国に行ってしまった』とだけ送りました。長文を書く気力もなかったので、短い言葉にしました。」
■SNSで伝えた(ストーリー・親しい友達限定)
「インスタグラムのストーリーで伝えました。他には、親しい友達限定の投稿で、『赤ちゃんを亡くしたこと』『今はそっとしておいてほしいこと』『元気になったらこちらから連絡すること』を書きました。実際にまた連絡できるまで、1年以上かかりました。」
■最小限の人にだけ伝えた
「会う機会がない友人には、あえて何も伝えませんでした。
家族と、心から信頼できる親友にだけ話しました。」
■代表者に伝えてもらった(職場の場合)
「職場には上司だけに話して、他の人たちにはその上司から伝えてもらいました。自分で全員に話すのは、気力的にも精神的にも無理でした。」
■やわらかい表現で伝えた
「『今回は元気に産んであげられなかった』とだけ話しました。詳細を聞いてきた人にだけ、少しずつ説明しました。」
伝え方は人それぞれです。自分の状況や心境、相手との関係性に合わせて、最も自分が話しやすい方法を選んでみてください。

★SNSを活用した伝え方
アンケートでは、多くのママが「SNSで一斉に伝えた」との回答でした。
特にインスタグラムのストーリでの投稿は「一人ひとりに言うのがつらい」「気を遣わせたくない」というママ・パパにとって有効な手段です。
投稿の範囲を「親しい友達のみ」に限定し、詳細は書かず以下の要点のみを記載して投稿したケースもありました。
・「赤ちゃんがお空へ旅立ったこと」
・「そっとしておいてほしいこと」
・「自分が落ち着いたらまた連絡すること」

★「伝えない」という選択
すべての人に伝える必要はありません。
実際、「誰にも伝えていない」「必要になったときだけ伝える」というママ・パパもいらっしゃいました。
特に、距離のある知人や、産後に連絡をくれるであろう相手にどう対応するかは悩みどころですが、伝えることで自分がさらに傷ついてしまいそうなら、無理に伝える必要はありません。

★伝え方の工夫:言葉のテンプレート
どうしても言葉に迷ってしまう方のために、いくつか例文を紹介します。
友人にLINEやメールで伝える例文
「ごめんね、突然の連絡になってしまって。実は少し前に赤ちゃんを亡くしました。
今は少しずつ気持ちを整えているところで、あまり詳しく話すことができません。
また元気になったら連絡させてください。」
SNSに投稿する場合(親しい友人限定)
「この数ヶ月、妊娠・出産を経験し、残念ながら赤ちゃんはお空へ旅立ちました。
今は、心を落ち着けながら過ごしています。連絡や返信などは、もう少し時間をください。」
年賀状で伝える例
「昨年、わたしたちのもとに赤ちゃんがやってきてくれましたが、残念ながらお空へ旅立ちました。
今はゆっくりと心と向き合って過ごしています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。」

★ 予想される友人から反応と対処法
大切なわが子のことを、勇気を出して伝えたあと、友人の思いがけない反応に心が傷ついてしまった——
そんな声も多く寄せられています。
実際に寄せられたママたちの声:
・「『またすぐできるよ』って言われたとき、返す言葉が見つからず、ただただ号泣しました。」
・「『病気の赤ちゃんだったのかもね』と言われてしまい、何も話せなくなってしまいました。」
・「『頑張ったね!元気出して!』の一言が苦しかった。頑張ってたし、今も頑張ってるのに。」
友人に悪気があったわけではないことも分かっています。
多くの人が、「どう声をかけたらいいか分からない」中で、何とか言葉を探しています。
それでも、「励まし」や「共感」のつもりの言葉が、ママ、パパの心を深く傷つけてしまうことがあります。
実際に、「その一言をきっかけに、友人関係が一生もとに戻らなくなってしまった」という声も届いています。
誰かに伝える前に、「思いがけない言葉が返ってくる可能性もある」ことを、少しだけ心に留めておく必要があるのかもしれません。
たとえ、それを否定されたように感じたとしても、あなたの想いは間違っていません。

★最後に
赤ちゃんとのお別れは、言葉にならないほどの深い悲しみが訪れます。
そのなかで、「誰かに伝える」という行為は、さらにエネルギーを必要とするものです。
でも、「こんなふうに伝えてもいい」「伝えないという選択肢もある」と知っていただくことで、少しでもお力になれたら幸いです。

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