天使の想い箱の物語
きっかけは娘へのプレゼント
わたしたちは、大切な娘とお別れしてから、泣いてばかりの毎日を過ごしていましたが、ふと周りを見わたすと、似た経験をしたママとパパがたくさんいることに気づきました。
決して同じ経験ではないものの、似た経験をしたもの同士のコミュニティはとても温かく優しい場所で、天使になったわが子のことを想い、愛情をそそぐ、ごくごく普通のママとパパの姿がありました。
「娘のために何かしてあげたい」、「娘とずっと一緒にいたい」。そんな想いが日に日に増す中、娘が安心して眠ることができ、同じ空間で毎日を過ごすことができる”おうち”を用意してあげたいと思うようになりました。
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お空っ子へお花を贈るための一輪挿し "天使のはな結び"
早速おうち探しを始めましたが、お仏壇のような形式的なデザイン、大人向けのものや、手の届かない金額のものが多く、なかなか理想のおうちを見つけることができませんでした。
「世の中になければ、自分たちで作れば良い」
そんな想いから、お空の子どもたち”お空っ子”にとって居心地のよい、可愛らしいデザインの”おうち”を作ることにしました。
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想いを形に変えるために描いた当時のデザイン。
Soramusubiはこの1枚の設計図から始まりました。
雲や天使の羽を連想するような、もくもくしたアーチ。
おうち全体に丸みをもたせた優しいかたち。
可愛らしくて温かみのある色合い。
お空の娘を想いながらデザインを考えていると、自然と色々なアイディアが溢れてきました。
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当時作成した図面(左)と現在の”天使の想い箱”(右)
日常の変化
おうちを用意してから、わたしたちの日常が少しずつ変化し始めました。
何気ない会話の中で娘の名前が自然と出てくるようになり、日常の中でも娘の存在を感じることができるようになりました。
この取り組みをSNSに投稿したところ「作ってほしい」という声がたくさん届きました。
似た経験をしたママやパパにも「おうちを通して気持ちの変化を感じてほしい。少しでも前を向くきっかけになってほしい。」
そんな想いを込め、お空っ子のためのおうちを"天使の想い箱"と名づけ、製作を決意しました。
「この悲しい経験を乗り越える」のではなく、「お空の子どもたちとこれからも一緒に生きていく。」そんな想いで製作しています。
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天使の想い箱の製作
やるからには、とことんこだわりたい!
木工について素人だったわたしたちは、木材、設計や加工について、1から学び、何度も何度も改良を重ねましたが、納得のいく"天使の想い箱"を作り上げることはできませんでした。
職人さんとの出会い
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実際の天使の想い箱の製作風景
どうしても諦めることができず、わたしたちの想いに共感していただける職人さんを探しました。
知識や人脈も無かったわたしたちは、展示会への参加、電話での問い合わせ、工房への飛び込み訪問などを通して、たくさんの職人さんに会いに行きました。
しかし現実は、断られ続ける毎日。
わたしたちの想いや実現したいことを受け入れてもらえませんでした。
そんな中、京都で行われた展示会で、芸術大学で木工の講師もしている職人さんに出会うことができました。
わたしたちの想いや実現したいことに共感していただくことができ、何度も何度も打ち合わせを重ねた結果、"天使の想い箱"の製作をお手伝いいただけることになりました。
300名以上の当事者ママ・パパとのつながり
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天使の想い箱の試作時に届いた声
"天使の想い箱"を製作するにあたり、SNSを通して、300名以上のママとパパから、たくさんの意見やアドバイスをいただきました。
それを"天使の想い箱"に反映しながら、何度も何度も職人さんと試作を重ねました。
サイズ、木材選び、色味の調合、背面に並べる木材の本数や光の差し込み方など、細部にまでこだわり試作を重ねた結果、12ヶ月の月日をかけ、”お空っ子”にぴったりな"天使の想い箱"を作り上げることができました。
このようになたくさんのママとパパの想いの詰まった”天使の想い箱”が、お空っ子にとって居心地のよい場所になることを願っています。
※この場を借りて、”天使の想い箱”の製作にご協力いただいたママとパパへ、改めてお礼を申し上げます。