赤ちゃんを亡くした後のグリーフ:流産・死産・新生児死後の悲しみとの向き合い方

トップページ > 天使ママ・パパに向けたお手紙 > 赤ちゃんを亡くした後のグリーフ:流産・死産・新生児死後の悲しみとの向き合い方

※最終更新日:2025年4月22

(内容は日々追記・アップデートしています。)

この記事では、赤ちゃんを亡くしたことによる喪失感=「グリーフ」について、ママ・パパ、そしてそのご家族やご友人に少しでも理解していただけるよう、

「グリーフとは何か」「悲嘆の過程」「気持ちとの向き合い方」「周囲の支え方」などをわかりやすくまとめました。


大切な人のグリーフに寄り添いたいと願うご家族やご友人にとっても、気づきと優しさのヒントとなることを願っています。


※この記事は、たくさんの天使ママ・天使パパが、深い悲しみの中でも、他のママ・パパのためになればと、つらい気持ちをかかえながらもご経験を教えてくださいました。

当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。ご協力いただいたママ・パパのお気持ちを守るためにも、お願いいたします。

★グリーフとは何か

グリーフ(Grief)とは、大切な存在を失ったときに生まれる、深い悲しみや喪失感のことを指します。

特に、流産・死産・新生児死といった赤ちゃんとのお別れは、時間の経過とは関係なく、ママ・パパの心に深く残り続けます。

グリーフは単なる「悲しい気持ち」ではなく、心理的、身体的、そして社会的な側面を持つ複雑な感情です。


「こんなに悲しいなんて、私だけ…?」「周りはもう日常に戻っているのに、私はまだ…」

そんな風に感じたことはありませんか?


グリーフには「これが普通」という正解はありません。

泣いてもいい、怒ってもいい、何も感じられない日があっても問題ありません。

それぞれのグリーフは、かけがえのないわが子への“愛情の証”そのものとなります。

★流産・死産・新生児死におけるグリーフの特徴

赤ちゃんを亡くすという経験には、他の死別とは異なる特有のグリーフの要素があります。

■非公認のグリーフ

流産や死産では、周囲の方が赤ちゃんと対面していないことが多く、その存在を十分に認識していないことがあります。

このため「非公認のグリーフ」として、悲しみが周囲に理解されにくいことがあり、より一層孤独を感じることがあります。

■二重の喪失感

赤ちゃんを亡くすことは、わが子の喪失だけでなく、親としての夢や計画、家族の未来像も同時に失うことになります。

これは「二重の喪失」と呼ばれることもあります。

■母性・父性の始まりと終わりの同時進行

特に初めての赤ちゃんを亡くした場合、親になる喜びと喪失の悲しみが同時に訪れるという複雑な感情を経験します。

体は母親になる準備をしているのに、腕の中には赤ちゃんがいないという現実に直面します。

■「なぜ」という問いかけ

多くのママ、パパが「なぜ私たちの赤ちゃんが?」「何か私にできることはあったのでは?」という問いを抱えます。

特に原因が特定できない場合、この問いはより強くなることがあります。

★グリーフの段階:一般的な心の過程

精神科医のエリザベス・キューブラー・ロスは、悲嘆の過程を5つの段階で説明しています。

ただし、これらの段階は必ずしも順番に進むわけではなく、行き戻りしながら経験することが一般的とされています。


1. 否認(Denial)

「これは現実ではない」「何かの間違いだ」と感じます。特に突然の喪失の場合、心を守るための自然な反応と言われています。


2. 怒り(Anger)

「なぜ私たちが?」「なぜこの子が?」という怒りや不公平感。医療者、パートナー、自分自身、時には他の妊婦や

健康な赤ちゃんに対して怒りを感じることもあります。


3. 取引(Bargaining)

「もし〇〇していたら」「次は必ず」「あの時こうしていれば…」と過去に戻りたくなる気持ちが生まれます。


4. 抑うつ(Depression)

深い悲しみ、空虚感、無力感に包まれ、日常生活への興味や意欲が低下することがあります。

これは異常な反応ではなく、大きな喪失に対する自然な反応と言われています。


5. 受容(Acceptance)

喪失の現実を少しずつ受け入れ始める段階です。

悲しみが消えるわけではありませんが、その悲しみと共存して生きていくことができるようになります。

重要なのは、これらの段階を「乗り越える」必要はないということです。自身のペースで経験することが大切だと言われています。

★グリーフの表れ方:心と体の反応

グリーフは心だけでなく、体にも様々な形で現れることがあります。

■情緒的症状

・うつ・引きこもり

・自責感

・罪悪感

・現実感の喪失

・自我の喪失

・怒り・不安・孤立感

■身体的症状

・胸部や喉がしめつけられる

・息切れ

・虚弱

・疲れやすい

・過呼吸

■認知的症状

・幻覚・幻聴(赤ちゃんの声、胎動)

・空虚感

■行動的症状

・不眠

・薬物の使用 / 濫用

・悪夢をみる

・回避(妊婦、赤ちゃん)

・食欲不振

・パニック症状

・フラッシュバック

これらの反応はすべて正常なものです。

特に出産をしたママの場合、身体がホルモンの変化にも対応しなければならないため、身体的症状がより顕著に現れることがあります。

★天使ママ・天使パパが語る「私のグリーフ」

Soramusubiが行ったアンケート調査では、約300名の天使ママ・パパから、

赤ちゃんを亡くした後の心の変化や気持ちの揺れについて、たくさんの声が寄せられました。

その中で、いつくかの「私のグリーフ」について、共有します。


「最初の数週間は、何も考えられず、ただ泣くことしかできなかった」


「友人の赤ちゃんを見るのが苦しくて、SNSから離れた」


「お葬式が終わってから、急に孤独が押し寄せてきた」


「もう泣いてはいけないと思ってずっと我慢していたけど、最近やっと涙を流せた」


中には「一人じゃないと気づけたことで、少し心が軽くなった」という声もありました​。

★パートナー間でのグリーフの違い

パートナー同士でグリーフの表れ方や対処法が異なることはごく一般的です。

これはしばしば「不一致のグリーフ」と呼ばれ、お互いの理解不足や更なる孤独感につながることがあります。

■一般的な違いの例

・時間をかけて悲しみたい(ママ)、早く日常に戻りたい(パパ)

・感情表現の違い:悲しみを表に出し、共感を求める(ママ)、自分の感情を抑制する(パパ)

・話したい(ママ)、黙っていたい(パパ)

これらの違いは、個人の性格や過去の経験などによって異なります。

違いを認め、お互いの悲しみ方を尊重することも大切です。

上述の通り、「正しい悲しみ方」はなく、それぞれが自分なりに喪失と向き合っているのです。


こちらの記事で、「パートナー間でのグリーフの違い」について、まとめています。

★グリーフに向き合うためのセルフケア

悲しみの中にあっても、自分自身を大切にすることは重要です。

以下に、グリーフと共に生きるためのセルフケアの方法をいくつか共有いたします。

■基本的な身体ケア

・十分な睡眠をとる(難しい場合は休息を取る)

・バランスの取れた食事を心がける

・軽い運動や散歩を取り入れる

・水分をしっかりとる

■感情のケア

・感情を否定せず、感じるままに許容する

・日記を書く、絵を描くなど表現する方法を見つける

・信頼できる人に話を聞いてもらう

・同じ経験をした人との交流を持つ

・必要に応じて専門家のサポートを受ける

■思い出を大切にする

・メモリアル品をプレゼントする

・特別な日を記念日として小さなお祝いをする

・赤ちゃんに手紙を書く

・日常の中で、赤ちゃんの名前を呼ぶ、話しかける


わたしたち、Soramubusiは、”世界で唯一、お空へ旅立った赤ちゃんへの想いを形にするメモリアルショップ”として、


自分なりの子育てができる空間を作る”赤ちゃんのためのおうち”や、

赤ちゃんのお名前、誕生日、命日や体重、身長を刻印できるメモリアル品など、多数の贈りものを取りそろえています。

大切なわが子へのプレゼントとして、ご興味のある方は、こちらより、ご確認いただけます。

■日常生活の中で

・自分にとって大切なことに時間を使う

・無理をせず、できることから少しずつ始める

・「ノー」と勇気を持って言う

・小さな喜びや平穏の瞬間を見つける

★周囲からのサポートを受け入れる方法

悲しみの中にあると、時に周囲のサポートを受け入れることが難しく感じられることがあります。

しかし、適切なサポートは回復の過程で大きな助けとなります。


・具体的な手助けを依頼する(食事の準備、家事など)

・自分の気持ちや必要なことを正直に伝える(話を聞いてほしい、一人で過ごしたいなど)


場合によっては、第三者のサポート(カウンセリングやピアサポート等)を利用することもおすすめします。

★グリーフと共に生きる:前に進むということ

「前に進む」という言葉は、しばしば「忘れる」「乗り越える」という意味で誤解されます。

しかし、赤ちゃんを亡くした後の「前に進む」とは、赤ちゃんへの愛や思い出を持ちながら、その喪失と共に生きていくことを意味します。

★最後に

赤ちゃんを亡くした後の悲しみは、言葉では表現できないほど深いものです。

赤ちゃんのために流した涙も、ため息も、話しかけた言葉も、すべてが「愛情」の証です。

グリーフとは、忘れることではなく、思い出と共に歩むこと。

少しずつで大丈夫。自分の心に優しく寄り添いながら、日々を過ごしていただけると幸いです。


※この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的なカウンセリングや医療アドバイスに代わるものではありません。

深刻な症状がある場合は、医療専門家にご相談ください。

本記事に関すること、それ以外も含め、

どんなことでもお気軽にご連絡、相談ください。

メモリアル品に関してのご質問や、

「ちょっと気になることがある」「話を聞いてほしい」など、個別のご相談もお受けしています。お気軽にお問い合わせください。

(お問い合わせ後、24時間以内に返信いたします。)

  • Instagram

  • 公式LINE

  • Mail

コメントを残す