パートナー間でのグリーフの違いと向き合い方

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※最終更新日:2025年5月8

(内容は日々追記・アップデートしています。)

赤ちゃんとの突然の別れを経験したあと、ママとパパが感じる悲しみ(グリーフ)は、まったく同じではありません。

「なぜパートナーは私と同じように悲しんでいないのだろう」「どうして理解してくれないのだろう」という

想いを抱いたことがあるママ・パパも多いのではないでしょうか。


流産、死産、新生児死を経験した後、多くのママ、パパがお互いの悲しみ方の違いに戸惑い、時には孤独を感じることがあります。


しかし、これは決して相手の愛情やわが子への想いが薄いということではなく、悲しみの表現方法が異なるだけなのです。


この記事が、パートナー間でのグリーフの違いについて理解し、お互いを尊重しながらママとパパが一緒に前を向いて歩んでいく参考になれば幸いです。

※ママ、パパとの関係性、お人柄に強く影響されるため、あくまでも一つの参考としてお考えください。

★グリーフ(悲観反応)の違い:ママとパパの悲しみ方の違い

学術研究や心理学分野では、ママとパパではグリーフの経験や表現方法に違いがあることがわかっています。

これは単なる個人差ではなく、社会的、身体的(出産を経験するママとしないパパ)な違い、そして置かれている状況の違いも大きく関わっています。

※1 悲嘆反応(グリーフ):大切な人やものを失ったときに感じる悲しみや苦悩、心身に表れるさまざまな反応

■ママのグリーフの傾向

・感情表現型: 涙を流す、話す、感情を言葉にするなど、悲しみを表に出すことが多い

・つながりを求める: サポートグループへの参加や友人との対話など、他者とのつながりや共感を求めることが多い

・身体的回復との並行: 特に出産を伴う喪失の場合、身体的な回復過程と心理的なグリーフが同時に進行する

■パパのグリーフの傾向

・問題解決型: 何か行動や作業に没頭することで悲しみに対処する傾向がある

・社会的責任との葛藤: 経済的責任や仕事の継続など、社会的役割を維持しながらグリーフと向き合う必要性がある

・感情を抑える: 職場では感情を出さず、家庭ではママを支えなければと自分の感情を抑えることが多い

どちらも正当なグリーフの形であり、「正しい悲しみ方」は存在しないことを理解することが大切です。

それぞれが置かれている状況や考えを認識し、お互いの悲しみ方を尊重することが重要です。

★見落とされやすい「もう一人の親」の悲しみ

出産をしていないパパのグリーフは、しばしば「二次的な喪失感」または「見えない悲しみ」と呼ばれることがあります。

しかし、その悲しみが軽いわけではありません。

■パパが経験しうる独自の悲しみ

・わが子とのお別れによる悲しみと同時に、ママの苦しみを見る辛さ

・サポート役に回ることで自分の悲しみを後回しにしてしまう傾向

・社会から「強くあれ」「支えになれ」というプレッシャーを感じる

・自分の悲しみを表現する「正当な場」がないと感じる

・経済的責任を担い続けなければならないプレッシャー


特に社会的・経済的な側面からの追加的なプレッシャーに直面することが少なくありません。


・制度的支援の欠如: 死産の場合、ママには産休が適用されるケースがありますが、パパが十分な休暇を取れる制度が整っていないことが多い

・早期の社会復帰の期待: 経済的責任から、十分に悲しむ時間もなく仕事に復帰せざるを得ないケースが多い

・感情表現の場の不足: 職場では喪失について話すことが難しく、また男性同士の友人関係でも深い感情を共有する文化が乏しいことがある


Soramusubiが行ったアンケートでは、54%のパパが、自分自身にも気持ちの崩れがあったとお答えいただきました。

一方で、これらの要因により、多くのパパは自分のグリーフを「後回し」にしたり、適切に処理する機会を失ったりすることがあります。

結果として、数ヶ月あるいは数年後に、遅延したグリーフ反応が現れることもあります。

★それぞれのグリーフに向き合うためにできること

わが子とのお別れは、ママ、パパとの関係に大きな影響を与えることがあります。

喪失体験後、お互いの関係性に何らかの変化があったと感じるママ、パパが多く見受けられます。

■お互いの向き合い方

・無理に解決を求めない: 時には解決策よりも、ただ話を聞いてもらうことが必要な場合もあります

・言葉以外でのコミュニケーション: 「抱きしめる」「手を握る」「そばにいる」など、言葉以外でのコミュニケーションで気持ちを伝える

・定期的な「心の対話」の時間を設ける: 週に一度など、お互いの気持ちや状態について話し合う時間を大切にする

・「正解」を求めない: 悲しみに正解はなく、お互いの状況、考え方や想いを理解する

・「比較」しない:誰のグリーフが「より深い」「より適切」などと比較しない

■一緒にできることを探してみる

ママ、パパが一緒に行うメモリアル活動は、二人の絆を深め、赤ちゃんの存在をともに感じられる大切な機会となります。


・メモリアルスペースを一緒に作る

・名前や誕生日を刻んだアイテムを選ぶ

・定期的にお寺、お墓、思い出の地など決まった場所に訪れる

・赤ちゃんへ手紙を書く、写真を見る

記念日(お誕生日や命日など)の過ごし方を決める


わたしたち、Soramusubiは、”世界で唯一、お空へ旅立った赤ちゃんへの想いを形にするメモリアルショップ”として、

自分なりの子育てができる空間を作る”赤ちゃんのためのおうち”や、

赤ちゃんのお名前、誕生日、命日や体重、身長を刻印できるメモリアル品など、多数の贈りものを取りそろえています。

大切なわが子へのプレゼントとして、ご興味のある方は、こちらよりご確認ください。

★最後に

愛しいわが子とお別れした喪失感は、夫婦・パートナーであっても全く同じようには表れません。

その違いを「理解できない」と拒むのではなく、「そう感じるんだね」と受け止めお互いに寄り添いあったとき、

ふたりの心はつながり、絆は深まっていくのだと思います。


ママ、パパが、少しでも穏やかな日々を過ごせるように──。

Soramusubiは、これからも心に寄り添う情報をお届けしてまいります。


※この記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医療・心理アドバイスに代わるものではありません。深刻なグリーフを経験されている方は、専門家によるサポートを受けることをお勧めします。

本記事に関すること、それ以外も含め、

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「ちょっと気になることがある」「話を聞いてほしい」など、個別のご相談もお受けしています。お気軽にお問い合わせください。

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