【流産・死産・新生児死】親族・友人としての寄り添い方

※最終更新日:2025/0/08
(内容は日々追記・アップデートしています。)

【流産・死産・新生児死】親族・友人としての寄り添い方

※最終更新日:2025/09/19

(内容は日々追記・アップデートしています。)

流産・死産・新生児死などの喪失「ペリネイタルロス」について、メディアで取り上げられる機会が増え、少しずつ、その現実に目を向けてくださる方や、社会へ伝えていく必要性を感じてくださる方が増えてきています。その背景もあってか、流産・死産・新生児死を経験した大切な人に、「どのように寄り添えばよいか分からない」と問い合わせを受けることが多くなってきました。

 

実際に小さないのちとお別れを経験した約300名のママ・パパから寄せられた声をもとに、友人・家族ができるサポートの実例、言葉の選び方、避けたい行動などを丁寧に紹介していきます。

もちろん、寄り添い方に正解があるわけではありません。

同じ言動であっても、とあるママとパパにとっては救われる言動だったとしても、別のママとパパにとっては深く傷つく言動になる可能性があります。わが子とお別れすることになった経緯、当事者と周囲の方との関係性、ママ・パパが抱えている悩み…、様々なことが複雑に絡み合う、とても難しい問題です。

 

※この記事は、たくさんの天使ママ・天使パパが、深い悲しみの中でも、他のママ・パパのためになればと、つらい気持ちをかかえながらもご経験を教えてくださいました。
当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。ご協力いただいたママ・パパのお気持ちを守るためにも、お願いいたします。

目次

★流産、死産、新生児死とは

*ペリネイタル・ロスの特徴

*悲しみの過程を知る

★適切なコミュニケーション

*救われたできごと

*悲しみを感じたできごと

*避けるべき言葉

*遠くにいてもできること

★ペリネイタル・ロスは「続くもの」と理解する

★最後に

★流産、死産、新生児死とは

流産、死産、新生児死を経験されたママ、パパと向き合う前に、まず流産、死産、新生児死がどのようなものなのか、その定義と基本的な理解を深めてることが重要です。

 

■流産・死産

流産とは、「医学的」には、妊娠22週未満で妊娠が終了することを指し、妊娠22週以降に妊娠が終了することを「死産」と定義しています。

一方で、「法的定義」では、妊娠12週以降を「死産」としています。(統計集計上「流産」の項目はなし)このように、前者は医学的定義、後者は法的定義で言葉の定義そもそもに相違があります。

流産、死産の多くは、染色体異常など胎児の発育に関わる問題が原因で起こりますが、原因不明の場合も少なくありません。

 

■新生児死亡

新生児死亡とは、赤ちゃんの出生後、4週(28日)未満に亡くなることを指します。

新生児死亡の主な原因には、極低出生体重、先天性異常、感染症、分娩時の合併症などがあります。医療技術の進歩により、特に先進国では新生児死亡率は大幅に低下していますが、それでも起こり得る悲しい現実です。

 

■周産期喪失(Perinatal Loss)の特徴

流産、死産、新生児死亡は、心理的な影響という観点からは共通点も多くあります。

これらは、「ペリネイタル・ロス(周産期喪失)」と呼ぶこともあります。

 

周産期喪失の特徴として、

見えない喪失:社会的に認識されにくい喪失体験であることが多い

親になる過程の中断:親としてのアイデンティティ形成の途中での喪失

将来の計画や夢の喪失:赤ちゃんとともに描いていた未来の喪失

身体的・心理的な複雑さ:妊娠・出産に伴う身体的変化と喪失の悲しみが同時に起こる

 

流産・死産・新生児死という経験は、命の長さに関係なく「親になった」ママ・パパにとって、かけがえのないわが子との別れです。

流産だから「喪失は大きくない、大丈夫だろう」と決めつけるのではなく、一人ひとりの体験や感情に寄り添うことが重要です。

*ペリネイタル・ロスの特徴

流産、死産、新生児死亡は、心理的な影響という観点からは共通点も多くあります。

これらは、「ペリネイタル・ロス(周産期喪失)」と呼ぶこともあります。

 

■周産期喪失の特徴

・見えない喪失:社会的に認識されにくい喪失体験であることが多い

・親になる過程の中断:親としてのアイデンティティ形成の途中での喪失

・将来の計画や夢の喪失:赤ちゃんとともに描いていた未来の喪失

・身体的・心理的な複雑さ:妊娠・出産に伴う身体的変化と喪失の悲しみが同時に起こる

 

流産・死産・新生児死という経験は、命の長さに関係なく「親になった」ママ・パパにとって、かけがえのないわが子との別れです。

流産だから「喪失は大きくない、大丈夫だろう」と決めつけるのではなく、一人ひとりの体験や感情に寄り添うことが重要です。

*悲しみの過程を知る

赤ちゃんを亡くした悲しみは、一般的には5つの段階を経ることがあります。ただし、これらの段階は必ずしも順番に進むわけではなく、行き戻りし、波のように訪れることが一般的とされています。

また、悲しみの表現は人それぞれで、感情を表に出す人もいれば、内に秘める人もいます。どの反応も正常であり、「正しい悲しみ方」というものはありません。

ペリネイタル・ロス(周産期喪失)の悲しみには、以下のような特徴があることもご理解いただけると幸いです。

 

・母親としての自己イメージの喪失

・「なぜ自分が?」という問いかけ

・自責の念や罪悪感

・将来への不安や恐れ

・パートナーとの悲しみ方の違いによる関係の変化

 

これらの悲しみにより、心や体にも大きな変化をもたらす場合があります。

★適切なコミュニケーション

どんな言葉をかけたらいいか分からない——そう感じるのは当然のことです。

そんなときは、「無理に言葉を探そうとしなくても大丈夫」です。

 

・そっと手を握る

・一緒に涙を流す

・「悲しいね」と共感する

 

それだけでも、ママ・パパにとっては大きな支えになります。あるママはこう語ってくれました。

「言葉が見つからないと泣きながら抱きしめてくれた親友のことを、一生忘れないと思います。」

 

大切なのは、相手の気持ちを尊重し、解決しようとするのではなく、共に悲しみを分かち合う姿勢です。

赤ちゃんの存在を認め、赤ちゃんの名前を呼んだり、「どんな赤ちゃんだった?」と尋ねることで、親としての気持ちを尊重することができます。

 

一方で「家族」「親友」「義両親」など、親しい存在であるからこそ、悩む場面もあります。

 

・どう接すればいいか分からない

・踏み込みすぎてしまわないか心配

・自分自身も悲しみで言葉が出ない

 

そんなときは、「あなたの気持ちを知りたい。何ができるかな?」と素直に聞いてみてください。

答えが返ってこなくても、その姿勢はママ・パパの心にしっかり届いています。

 

※相手との関係性、お人柄に強く影響されるため、あくまでも一つの参考としてお考えください。

*救われたできごと

■わが子の存在を認めてもらえたこと

・甥っ子がゲームセンターで取ったおもちゃをお仏壇に添えてくれること。

・友人がお菓子やお土産、お花を持ってきてくれたこと。

・お空の子に名入れアイテムを作ってくれたこと。

孫のひとりとして毎年お年玉を用意してくれること。 

・出産祝いやプレゼント代をくれたこと。

・お誕生日にバースデーメッセージをくれたこと。

・お誕生日にケーキを買ってきてくれること。

・友人がお仏壇に手を合わせてくれたこと。

・両親がお花を持ってきてくれて、お線香をあげてくれたこと。

・わが子との思い出の品を並べたお空っ子スペースを褒めてくれたこと。

 

普通の子どもたちと同じように接してもらえることに救われるという声が多く届きました。
わが子のために、お菓子やおもちゃ、お花などを用意してもらえることは本当に嬉しいです。

手元供養として、わが子と一緒に自宅で過ごしている方は、お空っ子スペース(メモリアル品や思い出の品を並べたスペース、お仏壇など)を作っている方が多いです。

その大切なスペースに手を合わせたり、お花を添えたりしてもらえることは、ママとパパにとって心から幸せだと感じられる瞬間です。


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*悲しみを感じたできごと

■腫れ物に触るような扱いを受けた

・喪失経験を話したときに第一声で(聞いたことに対して)「ごめん。」と言われたこと。

・周囲がお空の子のことに触れてこないこと。ちゃんと名前があるのに口にすることもなく、無かったことのようにされること。

 

周囲の方が声かけに迷うあまり、ママやパパに対して、腫れ物に触るように接してしまったり、お空の子のことに触れないよう気を遣うことがあります。確かにそこにあった小さな”いのち”、痛みや陣痛を経験して出産したわが子。それを無かったことのようにされるのはとても辛いものです。

もしお空の子のお名前が決まっていれば呼んであげたり、「忘れないよ。」と一言伝えるだけでも、当事者の救いになります。お空の子の話題については、素直にうれしいという方が多かったですが、触れられたくないという方もいます。

当事者との関係性上許されるのであれば、「傷つけたくないから、どんなふうに接したらいいか教えてほしい」とあらかじめ聞くことも選択肢のひとつです。

 

■パートナー間で気持ちの温度差を感じた

・パートナーとの気持ちのすれ違いがあったこと。相手が辛くなさそうに見えること。

お空の子の話を全くしないこと。手を合わせる姿も見たことがないこと。

 

主にママからパパに対して、気持ちの温度差を感じるという声が多くありました。

一般的に、ママより先に社会復帰をするパパからは、「奥さんを支えてね」、「早く切り替えて仕事をしよう」

などの職場からの言葉に傷ついたという声も届いています。自身の気持ちとは関係なく仕事が進んでいき、それについていかなければならない環境下で、気持ちを表に出さず、深い傷を負っていることもあります。

「ママだから、パパだから」は関係なく、わが子を想って涙を流すことは、全くおかしなことではありません。今すぐでなくても、自身のタイミングで「夫婦で会話」をすることが大切だという声が多く届きました。
 

■周囲の妊娠出産で傷ついた

・死産後すぐに友人からの妊娠報告があったこと。(自分とのギャップに胸が張り裂けそう。) 

・友人の集まりで、自分だけ赤ちゃんを抱っこしていない事実を突きつけられること。

・(同時期に妊娠していた友人から)子どもに会いに来てほしいと言われたこと。

・友人のSNSに投稿されている安産祈願やマタニティフォトの写真が目に入ること。

・親戚の赤ちゃんの写真がたくさん送られてきたこと。

・姪っ子が誕生したことに「おめでとう」と言えなかったこと。

 

喪失後の友人関係や親戚付き合いに悩むママとパパも多いです。喪失後は、赤ちゃんや妊婦さんを目にするだけでもつらい精神状態。芸能人の妊娠・出産のニュースが怖くてテレビを付けられなくなった方も。

周囲の方が、喪失の事実を知らない場合は避けようがありませんが、知っている場合は、少しの配慮が当事者にとっては大きな救いとなります。

無理に友人や親戚の集まりに参加させようとせず、「無理しなくていいよ。心を休めてからでいいよ。」とママとパパの心を優先して見守ってほしいと願います。

 

■行政の連携不足により傷ついた

・市から新生児訪問について電話があったこと。

・保健センターから赤ちゃんの様子を尋ねる電話があったこと。

・コロナ渦の妊婦用マスクが届いたこと。

 

死産届を出しているのにもかかわらず、役所内での情報共有がされておらず、受ける必要のない傷を受ける方が多くいます。市区町村からこのような電話があった際には、涙を堪えながら必死にわが子が旅立ったことを伝えなければなりません。

このような事態を減らすために、その後、事情をお手紙に書いて市区町村へ郵送したという方も。

とてもエネルギーが必要なことであったと思います。どうか関係各所での情報共有、そして連携を行っていただくことを強く望みます。

*避けるべき言葉

善意からの言葉でも、時に傷つけてしまうことがあります。以下のような言葉は避ける必要があります。

 

・「また子どもは授かるよ」

・「若いから大丈夫」

・「時間が解決してくれる」

・「赤ちゃんは天国で幸せだよ」

・「きっと何か理由があるはず」

・「まだ会ってなかったから、そんなに辛くないでしょう」

・「もっと大変な人もいるよ」

 

これらは、悲しみを軽減したいとの想いから掛けた言葉かもしれませんが、実際にはママ、パパを深く傷つけてしまう可能性があります。

何よりつらいのは、「誰にも気持ちを分かってもらえないこと」です。関係性が近いからこそ、そっと気にかけてほしいと思っているママ・パパがたくさんいます​。

こちらの記事で「当事者への声の掛け方」についてまとめています。

*遠くにいてもできること

距離があって会えない場合でも、心を届ける方法はあります。

 

・お手紙や小さな贈り物を送る

・名前や生まれた日が刻印されたメモリアル品を贈る​

・命日やお誕生日にLINEで思いを伝える

・SNSの投稿にリアクションやコメントを残す

★ペリネイタル・ロスは「続くもの」と理解する

赤ちゃんを亡くした悲しみは、数日や数ヶ月では癒えません。むしろ、時間が経つほど孤独感が増すこともあります。

 

・誕生日

・命日

・母の日・父の日

・お盆・年末年始

 

そんな節目に、「○○ちゃんのこと、覚えてるよ」と一言でも伝えてもらえるだけで、「忘れられていなかった」と涙するママ・パパも多くいます​。悲しみは決して「終わる」ものではなく、「共に生きていく」もの。

だからこそ、長く、静かに寄り添い続けることが、ママ、パパにとってなによりの心の支えになります。

★最後に

小さな赤ちゃんとのお別れを経験したママ・パパにとって、日常は「赤ちゃんがいない現実」とともに続きます。その中で、ご家族やご友人が見守ってくれているという安心感が、ほんの少しずつ、心をあたためてくれます。何か気の利いたことを言う必要はありません。

「大切なあなたを、想ってる。」

その気持ちを、言葉や行動にのせて届けてみてはいかがでしょうか。

きっとその優しさは、ママ・パパの心に寄り添い、小さないのちの記憶を大切に育む支えになります。

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