【流産・死産・新生児死】友人や家族にかける言葉/300名の実体験

※最終更新日:202/07/23
(内容は日々追記・アップデートしています。)

【流産・死産・新生児死】友人や家族にかける言葉/300名の実体験

※最終更新日:2025/09/19
(内容は日々追記・アップデートしています。)

近年、流産・死産・新生児死などの喪失を指す「ペリネイタルロス」がメディアで取り上げられる機会が増え、社会全体で支援の必要性を感じる方が着実に増えています。

 

そうした社会の変化とともに、私たちのもとには「流産・死産・新生児死を経験した人にかける言葉が分からない」といった相談が数多く寄せられるようになりました。

 

同じ言葉であっても、あるご夫婦にとっては心の支えとなる救いの言葉である一方で、別のご夫婦には深い傷を与えてしまう言葉になってしまう可能性があります。

 

周囲の何気ない一言によって傷つく機会を少しでも減らし、より良い支援の輪を広げていくために、流産・死産・新生児死を経験したママ・パパの想いを、この記事を通してお伝えします(受け取り方は人それぞれです。正解・不正解ではなく、soramusubiに届いたありのままのママ、パパの声を記します。)


調査方法:Instagramのアンケート機能、質問ボックス、DM

調査日:2024年4月19日~20日/2024年5月2日~3日

回答人数: 322名

 

※この記事は、たくさんの天使ママ・天使パパが、深い悲しみの中でも、他のママ・パパのためになればと、つらい気持ちをかかえながらもご経験を教えてくださいました。
当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。ご協力いただいたママ・パパのお気持ちを守るためにも、お願いいたします。

目次

★傷ついた言葉

*励ますつもりでかけた言葉

*亡くなったことを正当化された言葉

*さらなる努力を強いる言葉

*上の子や次子に言及する言葉

*根拠のない無責任な言葉

*世代間ギャップを感じた言葉

*喪失後に違和感を持つ言葉

*当事者を責める言葉

★嬉しかった言葉

*当事者に寄り添う言葉

*わが子の存在を認めてくれる言葉

*お空の子を気に掛ける言葉

*家族から貰った言葉

★特に意見が分かれた言葉

★最後に

★傷ついた言葉

*励ますつもりでかけた言葉

・「いつまでも泣いてると成仏できないよ。」

・「前を向かないとお空の子が可哀想だよ。」

・「泣いても帰ってこないよ。」

・「辛い思いをしている人はたくさんいる。」

・「早く笑顔を見せて。」

・「引きずらない方がいいよ。忘れた方がいいよ。」

 

泣いたり悲しんだりすることを否定される言葉に抵抗を感じるママとパパが多くいます。励ますつもりでかけた言葉であっても、当事者としては「泣くことも許されない」とさらに気持ちを塞ぎ込んでしまうものです。

「つらい思いをしてるのはあなただけじゃない」という声かけもよく聞きますが、当事者の悲しみの大きさは当事者以外が比較するものではありません。ママとパパのペースを崩してしまうような声かけよりも、「大変だったね。 泣きたい時は泣いても良いんだよ。」と、悲しみを共有したり、そっと側にいてくれるだけで、心を落ち着かせることができます。

励まし方が分からないと感じたときには、正直に「かける言葉が見つからなくてごめんね。」と声をかけることも選択肢の一つです。

*亡くなったことを正当化された言葉

・もともと胎児疾患が見つかっており、赤ちゃんの心拍が止まったときに「こうなって良かった。」と言われた。

・「まだ流産の範囲でよかった。」(12週未満なので出産ではなく手術だったため)

・「妊娠できるってわかったから良かったじゃない。」

・「双子を育てるのは無理だと思って1人はお空に帰ったんだよ。」

・「双子のうち1人は無事だったから良かったじゃない。」

 

ママとパパにとって、妊娠週数や疾患の有無に関係なく、たったひとりの大切なわが子です。
励ますつもりであったとしても「こうなって良かった。」という言葉は当事者の心に大きな傷となって残ります。

*さらなる努力を強いる言葉

・「上の子がいるんだから頑張らないと。」
・「(出産前日に)頑張るしかないからね。」

・「神様は乗り越えられない試練は与えない。」

・「まだこんなに落ち込んでると思わなかった。」

 

これ以上何を頑張ればいいのか…という気持ちが本心です。
「頑張らないと」という表現ではなく、「つらいね、たくさん頑張ったね。」と、肯定してほしかったという声が多いです。

*上の子や次子に言及する言葉

・「一人いるから良かったね。」

・「一人っ子はかわいそうだよ!」

・「また生まれ変わって来てくれるよ。」

・「次は大丈夫だよ。」

・「次があるよ。」(不妊治療でようやく授かれたのに簡単に言われた。)

 

多くのママとパパにとって、上の子がいてくれて救われたことは確かですが、亡くした命の代わりはありませんお空の子はその子しかいないのに、否定されたように感じてしまうことがあります。

また、時間をかけてゆっくりとお空のわが子を想いたいというママとパパもいます。次の妊娠についても望む方が多いものの、また同じことが起こったら…という恐怖や、不妊治療や妊活再開までの待機期間など、様々な理由から踏み出せない方もいます。

 

「次の妊娠を迎えることが出来ればまた立ち直れる」という考えも当てはまりません。当事者を急かすことなく、「ゆっくりとあなたのペースでね。」という気持ちで見守ってもらえることが、ママ・パパにとって一番の救いになります。

*根拠のない無責任な言葉

・「(流産や死産に対して)よくあることだよ。」
「まだ若いから大丈夫だよ。」

・「流産したあとは子宮がきれいになって妊娠しやすくなるんだよ。」

・「時間が経てば乗り越えられるよ」(乗り越えることは一生できない。この悲しみとともに生きていく。)

・「その子とは縁がなかったんだね、弱い子だったんだよ。」(当事者の多くは、縁があって来てくれたと思っている。)

・「亡くなった子と同じベッドで寝たらダメ!連れていかれてしまうよ!」

 

よくあることだと言われても、周りを見わたせば順調に妊娠して子育てをしている人ばかり。
どうしてわたしたちの子が…、どうしてわたしだけ…、とわが子のいない現実に、改めて苦しみを感じることがあります。そもそも、乗り越えるものではなく、お空のわが子と「一緒に生きていく」という気持ちで過ごしているママ・パパが多くいます。

*世代間ギャップを感じた言葉

(流産したその日に)「早く水子供養しないとね。」

(お仏壇にお菓子やおもちゃをお供えしていたら)「そんなに散らかして片付けなさい。」

・「義家族に失礼だから(流産のことを)黙っておきなさい。」

・「まぁ失敗は仕方ないから。」

・(お寺さんから)「今は医療が進歩してるから、もっと小さく生まれても助かる子も多いと思うけど。」

 

両親・祖父母世代とのギャップに悩むママとパパが多くいらっしゃいます。現代は医療の発達により「健康に産まれてくることが"当たり前でない"時代」から「健康に産まれてくることが"当たり前"の時代」になりました。そして、エコー技術も発達し、「小さな胎芽や胎児に対してわが子として強い愛着を感じる」というママとパパがたくさんいます。

この技術発達による世代間のギャップが、考え方の相違に繋がるひとつの原因といわれています。

従来の考え方やしきたり、慣習が大切であることは間違いありませんが、どうかママとパパの気持ちを尊重して、わが子との大切な時間を過ごせるよう見守ってほしいと願います。

*喪失後に違和感を持つ言葉

・「子どもは?」「何人目?」という質問

・「つわりは赤ちゃんが元気な証拠だよ。」(それは違うと身をもって知った。)

 

結婚したら「子どもは?」、子どもが生まれたら「二人目は?」など、周囲からの避けられない質問に苦しんでいる方も多いです。悪気のない質問であったとしても、なかなか授かれなかったり、原因があって苦しんでいる方はたくさんいます。デリケートな質問であることを理解していただけたらと思います。

*当事者を責める言葉

・「遊びすぎてたから赤ちゃんが亡くなってしまったんじゃない?」

・「赤ちゃんの様子に変化があればすぐに病院行かないとだめだよ。」(自分のせいと言われたように感じた。)

・「元気だから若いと思ってたけど年齢的には高齢出産だからね…」

「仕事を頑張りすぎたから死産になったのかもね。」

 

わが子のいのちは自分のいのちに代えてでも守りたかったものそれを守りきれなかった自分自身を責めています。さらに当事者を責めるような言葉は控えていただけたらと思います。

★嬉しかった言葉

*当事者に寄り添う言葉

・「当事者にしかわからない気持ちがあるから軽々とは言えないけど、辛かったね。」

・ (あれこれ付け加えたりせずに)「大変だったね。」

・「自分のペースでゆっくりね。」

「今日も生きててくれてありがとう。」

・「正真正銘、双子のママだよ。」

・(胎児疾患による選択的お別れのママに)「自分を責めないでね。ごめんねじゃなくてありがとうって言ってあげてね。」

・「ここまで考えてくれるママのところに来られた赤ちゃんは幸せだよ。」

「出産おめでとう。おつかれさま。」

 

ママであること、パパであることを認めてもらえたり、ママとパパのペースを大切にしてくれるような言葉は、大きな救いになります。元気づけるために、いろいろな言葉をかけてあげたくなりますが、実際は多くの言葉は必要ないのかもしれません。

話すのが辛そうな様子であれば、「もし話したくなったら話してね。」といった声かけや、気持ちを吐き出したい様子であれば、「大変だったね。 たくさん泣いてもいいんだよ。」と、悲しみを共有することもできます。メールなどのやり取りで、体調を気遣うメッセージの後の「返信はいらないからね。」の一言に、救われたという方もいました。

*わが子の存在を認めてくれる言葉

・「かわいいね。」
・「パパにそっくりだね。」

 

中には、「赤ちゃんに会えなかった」「会わない選択をした」という方もいます。様々な背景があるので、それぞれの選択が尊重されるべきだと思っています。一概には言えませんが、「赤ちゃんと会う選択をした」ママとパパにとって、わが子を可愛がってもらえることは、素直にうれしいと感じています。ママとして誇らしい時間だったと話してくれる方も。腫れ物に触るようでもなく、気を使いすぎることもなく、普通の赤ちゃんと同じように接してもらえることは、大きな救いとなります。

*お空の子を気に掛ける言葉

「もうすぐ1歳になるね。」

・「〇〇ちゃん(お空の子)のこと忘れないよ。」

・「赤ちゃんのお名前は?」

・「赤ちゃんの写真見せて。」(こんなにかわいいのに自分からは見せられなかった。)

 

気を遣って何も聞かれない方が、なかったことになるみたいで悲しいという声が多く、お空の子が話題に上がることは素直にうれしいと感じています。多くの人がかわいいわが子の話をするのと同じように、お空の子の話を聞いてほしいと願う当事者もいます。

全員が同じ考えというわけではありませんが、周囲の方と当事者との関係性が深いのであれば、ぜひお空の子の話題にも触れていただけたらと思います。

*家族から貰った言葉

・「お空の子も含めて3人家族だよ。」

・(長男から)「ママがんばったね。」

・「〇〇ちゃんのお花買いに行こう。」

 

家族みんなが一緒になってお空の子を想うこと。お空の子にとっても、家族みんなにとっても、こんなに幸せなことはありません。家族みんなでできることはたくさんあります。一緒に季節のお花を選んだり、お空っ子スペースにおもちゃやお菓子をお迎えしても。

ママとパパ、そして家族みんなに合った想い方が見つかればと願います。

★特に意見が分かれた言葉

■お空に忘れものをしてきたんだよ

流産や死産などで、赤ちゃんがお空へ旅立ったことについて、「赤ちゃんがお空に忘れ物を取りに帰ったんだよ」という表現をすることがあります。「この言葉に救われた」「心が軽くなった」と感じるママとパパや「忘れ物を取りに帰らず一緒にいたかった」と感じるママとパパもいます。

また、赤ちゃんが旅立った原因が母体要因(子宮内感染など)である場合は特に、適切ではないと感じる方がいました。

 

■気持ち分かるよ

この言葉は、傷ついた言葉、嬉しかった言葉どちらにも挙がり、解釈の仕方が人それぞれであることを実感しました。当事者以外の方から「気持ち分かるよ。」と言われて悲しかったという声は多かったのですが、意外だったのは、当事者間であっても、喪失の経緯によっては、傷つける可能性があるということでした。

 

ママとパパが抱える苦しみ、わが子とお別れすることになった理由はそれぞれ異なり、同じ経験をした当事者に出会うことはほとんどありません。

喪失理由も、早期流産、後期流産、人工流産、人工死産、死産、新生児死、乳児死…と様々です。

当事者同士の会話の中で、気持ちを分かってくれて救われた」という声が多い一方で、「流産と死産の辛さは違うと思う」との声が少数あったことも事実です。

★最後に

以上、たくさんのママとパパから、大切なご経験を教えていただきました。これからも情報は都度アップデートしていきます。

ありのままの当事者の声を記載しましたが、すべてが全員に当てはまることではありません。

お空の子の話題については、素直にうれしいという方が多かったですが、触れられたくないという方もいます。当事者との関係性上、許されるのであれば、「傷つけたくないから、どんなふうに接したらいいか教えてほしい」とあらかじめ聞くことも選択肢のひとつです。

 

この記事を参考に、当事者の周りにいる方が、当事者の想いを知るきっかけになれば幸いです。また、知っていただくことで、これから傷を受けるママとパパを減らすことができると考えています。この記事を通して、お空に子どもをもつすべてのママとパパが、過ごしやすい社会になりますように。

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