【流産・死産・新生児死】300名の実体験に基づく当事者への声かけ

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※最終更新日:2024年7月23日

(内容は日々追記・アップデートしています。)

流産・死産・新生児死などの喪失「ペリネイタルロス」について、メディアで取り上げられる機会が増え、少しずつ、その現実に目を向けてくださる方や、社会へ伝えていく必要性を感じてくださる方が増えてきています。


その背景もあってか、小さなわが子とのお別れを経験した当事者だけでなく、当事者以外の方からの問い合わせも増える中、一番多くいただくのが、「当事者にどう声をかけたらいいのか分からない。」といった悩みです。


もちろん、声の掛け方に正解があるわけではありません。

同じ言葉であっても、とあるママとパパにとっては救われる言葉だったとしても、別のママとパパにとっては深く傷つく言葉になる可能性があります。

わが子とお別れすることになった経緯、当事者と周囲の方との関係性、ママ・パパが抱えている悩み…、様々なことが複雑に絡み合う、とても難しい問題です。

わたしたちのもとには、SNSを通して、膨大な数の当事者の「リアルな声」が集まります。

この当事者の声を発信していくこと。それが、当事者の想いを社会へ伝える一歩だと考えています。

全員が同じ考えではないことは承知の上ですが、天使ママ・パパが、周囲の何気ない言葉によって傷つく機会を減らせるよう、事者ではない周囲の方々に向けて、天使ママ・パパの想いを共有します。


調査方法:Instagramのアンケート機能、質問ボックス、DM

調査日:2024年5月2日~3日、2024年4月19日~20日

回答人数: 322名


この記事が少しでも当事者に対する声かけの参考や、当事者の想いを知るきっかけになること、そして、知らない間に相手を傷つけていたのではないかと悩む方々の救いになることを願っています。

(冒頭でもお話いたしました通り、同じ言葉であっても、受け取り方は人それぞれです。正解、不正解をお伝えするのではなく、ありのままの当事者のママ・パパから届いた声を記します。)


※この記事は、たくさんの天使ママ・天使パパが他のママ・パパのために、つらい気持ちを抱えながらも、ご経験を教えてくださいました。

当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。(悲しいことにSoramusubi内コンテンツの無断転載・コピペをお見受けしています。)

ご協力いただいたママ・パパのお気持ちを守るためにも、お願いいたします。

▼傷ついた言葉、悲しかった出来事

1. 傷ついた言葉

①励ますつもりでかけた言葉

*悲しむことを否定する言葉

・「いつまでも泣いてると成仏できないよ。」

・「前を向かないとお空の子が可哀想だよ。」

・「泣いても帰ってこないよ。」

・「辛い思いをしている人はたくさんいる。」

・「早く笑顔を見せて。」

・「引きずらない方がいいよ。忘れた方がいいよ。」

泣いたり悲しむことを否定される言葉に抵抗を感じるママとパパが多くいました。

励ますつもりでかけた言葉であっても、当事者としては「泣くことも許されない」とさらに気持ちを塞ぎ込んでしまいます。

「つらい思いしてるのはあなただけじゃない」という声かけも良く聞きますが、当事者の悲しみの大きさは当事者以外が比較するものではありません。

ママとパパのペースを崩してしまうような声かけよりも、「大変だったね。 泣きたい時は泣いても良いんだよ。」と、悲しみを共有したり、そっと側にいてくれるだけで、心を落ち着かせることができます。

励まし方が分からないと感じたときには、正直に「かける言葉が見つからなくてごめんね。」と声を掛けることも選択肢の一つです。

*こうなって良かったという言葉

・もともと胎児疾患が見つかっており、赤ちゃんの心拍が止まったときに「こうなって良かった。」と言われた。

・「まだ流産の範囲でよかった。」(12週未満なので出産ではなく手術だったため)

・「妊娠できるってわかったから良かったじゃない。」

・「双子を育てるのは無理だと思って1人はお空に帰ったんだよ。」

・「双子のうち1人は無事だったから良かったじゃない。」

⇒ママとパパにとって、妊娠週数や疾患の有無に関係なく、たったひとりの大切なわが子です。

励ますつもりであったとしても「こうなって良かった。」という言葉は当事者の心に大きな傷となって残ります。

*さらなる努力を強いる言葉

・「上の子がいるんだから頑張らないと。」

・「(出産前日に)頑張るしかないからね。」

・「神様は乗り越えられない試練は与えない。」

・「まだこんなに落ち込んでると思わなかった。」

⇒これ以上何を頑張ればいいのか…という気持ちが本心です。

「頑張らないと」という表現ではなく、「つらいね、たくさん頑張ったね。」と、肯定してほしかったという声が多かったです。

*上の子に言及する言葉

・「一人いるから良かったね。」

・「一人っ子はかわいそうだよ!」

⇒多くのママとパパにとって、上の子がいてくれて救われたことは確かですが、亡くした命の代わりはありません

お空の子はその子しかいないのに否定されたように感じてしまうことがあります。

②わが子の存在を認めてもらえない言葉

*次子について言及する言葉

・「生まれ変わって来てくれるよ。」

・「次は大丈夫だよ。」

・「次があるよ。」(不妊治療でようやく授かれたのに簡単に言われた。)

⇒時間をかけてゆっくりとお空のわが子を想いたいというママとパパもいます。

次の妊娠についても望む方が多いものの、また同じことが起こったら…という恐怖や、不妊治療や妊活再開までの待機期間など、様々な理由から踏み出せない方もいます。

「次の妊娠を迎えることが出来ればまた立ち直れる」という考えも当てはまりません。当事者を急かすことなく、「ゆっくりとあなたのペースでね。」という気持ちで見守ってもらえることが、ママ・パパにとって一番の救いになります。

*根拠のない無責任な言葉

・「(流産や死産に対して)よくあることだよ。」

「まだ若いから大丈夫だよ。」

・「流産したあとは子宮がきれいになって妊娠しやすくなるんだよ。」

・「時間が経てば乗り越えられるよ」(乗り越えることは一生できない。この悲しみとともに生きていく。)

・「その子とは縁がなかったんだね、弱い子だったんだよ。」(当事者の多くは、縁があって来てくれたと思っている。)

・「亡くなった子と同じベッドで寝たらダメ!連れていかれてしまうよ!」

⇒よくあることだと言われても、周りを見わたせば順調に妊娠して子育てをしている人ばかり。

どうしてわたしたちの子が…、どうしてわたしだけ…、とわが子のいない現実に、改めて苦しみを感じることがあります。

そもそも、乗り越えるものではなく、お空のわが子と「一緒に生きていく」という気持ちで過ごしているママ・パパが多くいます。

③世代間による考え方のギャップを感じた言葉

(流産したその日に)「早く水子供養しないとね。」

(お仏壇にお菓子やおもちゃをお供えしていたら)「そんなに散らかして片付けなさい。」

・「義家族に失礼だから(流産のことを)黙っておきなさい。」

・「まぁ失敗は仕方ないから。」

・(お寺さんから)「今は医療が進歩してるから、もっと小さく生まれても助かる子も多いと思うけど。」

⇒両親・祖父母世代とのギャップに悩むママとパパが多くいらっしゃいます。

現代は医療の発達により「健康に産まれてくることが"当たり前でない"時代」から「健康に産まれてくることが"当たり前"の時代」になりました。

そして、エコー技術も発達し、「小さな胎芽や胎児に対してわが子として強い愛着を感じる」というママとパパがたくさんいます。

この技術発達による世代間のギャップが、考え方の相違に繋がるひとつの原因といわれています。

従来の考え方やしきたり、慣習が大切であることは間違いありませんが、どうかママとパパの気持ちを尊重して、わが子との大切な時間を過ごせるよう見守ってほしいと願います。

④医療機関で傷ついた言葉

・(医師から)「よくあることだから。」「ハズレくじを引いたようなもの。」

・(医師から)「ネットの情報ばかり見ないように。」

・(不妊治療の医師から)「次は頑張りましょう。」

・(鍼灸師から)「その体では働きながらの妊娠は難しかったんだね。」

⇒医師からすると、流産や死産をした人をこれまで何人も見てきたのかもしれません。

それでも、わが子を亡くすことが「大したことではない」と言われたように感じて、心に深い傷を負う当事者が多くいます。

お腹の子は「たったひとりのわが子」です。

⑤職場で傷ついた言葉

「思ったより元気だね。」(泣くのを我慢して必死に働いているだけ。)

・(復帰前の面談にて上司から)「復帰してもらわないと困る。」

・(助産師のママに対して上司から)「この経験(死産)を仕事に活かして。」

「奥さんを支えてあげてね。」(まるでパパは死産とは関係ないというような言葉)

・職場復帰後の体型に関する指摘「痩せた?」「太った?」

⇒一般的には、パパはすぐ、ママは産後休暇(8週間)の後、職場へ復帰します。

わが子を失うという喪失を経験して、以前と同じように働くことは、簡単なことではありません。

喪失をきっかけに退職・転職したり、産後休暇の後、傷病休暇でお休みを延長する方もいます。

元気そうに見えても、無理をしているだけで、心は元気ではないことも多いです。

「大変だったね。もし話したくなったときは聞くからね。」と当事者を想っていることが伝わるだけで救われます。

⑥喪失経験後に違和感を持つ言葉

・「子どもは?」「何人目?」という質問

・「つわりは赤ちゃんが元気な証拠だよ。」(それは違うと身をもって知った。)

⇒結婚したら「子どもは?」、子どもが生まれたら「二人目は?」など、周囲からの避けられない質問に苦しんでいる方も多いです。

悪気のない質問であったとしても、なかなか授かれなかったり、原因があって苦しんでいる方はたくさんいます。

デリケートな質問であることを理解していただけたらと思います。

⑦当事者を責める言葉

・「遊びすぎてたから赤ちゃんが亡くなってしまったんじゃない?」

・「赤ちゃんの様子に変化があればすぐに病院行かないとだめだよ。」(自分のせいと言われたように感じた。)

・「元気だから若いと思ってたけど年齢的には高齢出産だからね…」

「仕事を頑張りすぎたから死産になったのかもね。」

⇒わが子のいのちは自分のいのちに代えてでも守りたかったもの

それを守りきれなかった自分自身を責めています。さらに当事者を責めるような言葉は控えていただけたらと思います。

2. 悲しかった出来事

①腫れ物に触るような扱いを受けたこと

・喪失経験を話したときに第一声で(聞いたことに)「ごめん。」と言われたこと。

・周囲がお空の子のことに触れてこないこと。ちゃんと名前があるのに口にすることもなく、無かったことのようにされること。

⇒周囲の方が声かけに迷うあまり、ママやパパに対して、腫れ物に触るように接してしまったり、お空の子のことに触れないよう気を遣うことがあります。

確かにそこにあった小さな”いのち”、痛みや陣痛を経験して出産したわが子。それを無かったことのようにされるのはとても辛いものです。

もしお空の子のお名前が決まっていれば呼んであげたり、「忘れないよ。」と一言伝えるだけでも、当事者の救いになります。

お空の子の話題については、素直にうれしいという方が多かったですが、触れられたくないという方もいます。

当事者との関係性上許されるのであれば、「傷つけたくないから、どんなふうに接したらいいか教えてほしい」とあらかじめ聞くことも選択肢のひとつです。

②パートナー間で気持ちの温度差を感じたこと

・パートナーとの気持ちのすれ違いがあったこと。相手が辛くなさそうに見えること。

お空の子の話を全くしないこと。手を合わせる姿も見たことがないこと。

⇒主にママからパパに対して、気持ちの温度差を感じるという声が多くありました。

一般的に、ママより先に社会復帰をするパパ。「奥さんを支えてね」「早く切り替えて仕事をしよう」などの言葉に傷ついたというパパも。

自身の気持ちと関係なく仕事が進んで行き、それについていかなければならない環境下で、表に出さず、深い傷を負っていることもあります。

「ママだから、パパだから」は関係なく、わが子を想って涙を流すことは、全くおかしなことではありません。

今すぐでなくても、自身のタイミングで「夫婦で会話」をすることが大切だという声が多く届きました。

③医療機関で傷ついたこと

・産後1ヶ月健診で、みんなは赤ちゃんを連れてきているのに自分だけいないこと。

・産後うつの問診票に「あなたも赤ちゃんも元気ですか?」の一文があったこと。

・流産処置の際、隣の部屋では出産していて産声が聞こえてきたこと。

・医師のミス(ラミナリアをすべて取り出していなかった)で死産後再度処置が必要になったこと。(死産児であれば医療ミスがあっても良いのか。)

⇒産院は幸せと悲しみが共存する場所です。そのギャップに苦しむママとパパが多くいました。入院中はもちろんのこと、産後健診でも。

新生児の泣き声が聞こえる待合室、赤ちゃんを抱いていない自分、さらに育児をしているママとパパ向けに作られた産後うつ問診票を記入させられた方も。

他の妊産婦さんや赤ちゃんと接することがないように、病院側の配慮があれば良かったという声が多くありました。

④周囲の妊娠出産で傷ついたこと

*友人関係

・死産後すぐに友人からの妊娠報告があったこと。(自分とのギャップに胸が張り裂けそう。)

・友人の集まりで、自分だけ赤ちゃんを抱っこしていない事実を突きつけられること。

・(同時期に妊娠していた友人から)子どもに会いに来てほしいと言われたこと。

・友人のSNSに投稿されている安産祈願やマタニティフォトの写真が目に入ること。

*親戚関係

・親戚の赤ちゃんの写真がたくさん送られてきたこと。

・姪っ子が誕生したことに「おめでとう」と言えなかったこと。

⇒喪失後の友人関係や親戚付き合いに悩むママとパパも多いです。

喪失後は、赤ちゃんや妊婦さんを目にするだけでもつらい精神状態。芸能人の妊娠・出産のニュースが怖くてテレビを付けられなくなった方も。

周囲の方が、喪失の事実を知らない場合は避けようがありませんが、知っている場合は、少しの配慮が当事者にとっては大きな救いとなります。

無理に友人や親戚の集まりに参加させようとせず、「無理しなくていいよ。心を休めてからでいいよ。」とママとパパの心を優先して見守ってほしいと願います。

⑤行政の連携不足により傷ついたこと

・市から新生児訪問について電話があったこと。

・保健センターから赤ちゃんの様子を尋ねる電話があったこと。

・コロナ渦の妊婦用マスクが届いたこと。

⇒死産届を出しているのにもかかわらず、役所内での情報共有がされておらず、受ける必要のない傷を受ける方が多くいます。

市区町村からこのような電話があった際には、涙を堪えながら必死にわが子が旅立ったことを伝えなければなりません。

このような事態を減らすために、その後、事情をお手紙に書いて市区町村へ郵送したという方も。

とてもエネルギーが必要なことであったと思います。うか関係各所での情報共有、そして連携を行っていただくことを強く望みます。

以上、【傷ついた言葉、悲しかった出来事】について、当事者の声を記しました。周囲の方々の理解が深まり、優しくて温かい声かけがあふれることを願っています。

これから傷つくママとパパを少しでも減らせるように、そして知らない間に相手を傷つけたかも…と悩む周囲の方の救いになるよう、【嬉しかった言葉、救われた出来事】についても以下にまとめます。

▼嬉しかった言葉、救われた出来事

1. 嬉しかった言葉

①医療従事者から貰った言葉

・「赤ちゃんかわいいね。」

・「赤ちゃんもママもよく頑張りましたね。」

「出産おめでとう。」

⇒助産師さんや看護師さんをはじめ、医療職さんの寄り添いに救われたママとパパはとても多いです。

泣いている当事者を抱きしめて一緒に泣いてくれたり、お見送りのための鶴を一緒に折ってくれたり、メッセージカードをくれたという方も。

深い悲しみの中にいる当事者を、温かく包みこむような優しい寄り添いが、退院後の生活の中で、心の支えになることは確かです。

流産や死産と診断されたとき、最初に出会う医療職さんによって、その後の人生が左右されるといっても過言ではありません。

②当事者の気持ちに寄り添う言葉

・「当事者にしかわからない気持ちがあるから軽々とは言えないけど、辛かったね。」

・ (あれこれ付け加えたりせずに)「大変だったね。」

・「自分のペースでゆっくりね。」

「今日も生きててくれてありがとう。」

・「正真正銘、双子のママだよ。」

・(胎児疾患による選択的お別れのママに)「自分を責めないでね。ごめんねじゃなくてありがとうって言ってあげてね。」

・「ここまで考えてくれるママのところに来られた赤ちゃんは幸せだよ。」

「出産おめでとう。おつかれさま。」

ママであること、パパであることを認めてもらえたり、ママとパパのペースを大切にしてくれるような言葉は、大きな救いになります。

元気づけるために、いろいろな言葉をかけてあげたくなりますが、実際は多くの言葉は必要ないのかもしれません。

話すのが辛そうな様子であれば、「もし話したくなったら話してね。」といった声かけや、気持ちを吐き出したい様子であれば、「大変だったね。 たくさん泣いてもいいんだよ。」と、悲しみを共有することもできます。

メールなどのやり取りで、体調を気遣うメッセージの後の「返信はいらないからね。」の一言に、救われたという方もいました。

③わが子の存在を認めてくれる言葉

*赤ちゃんの愛しさを表現する言葉

・「かわいいね。」

・「パパにそっくりだね。」

⇒中には、「赤ちゃんに会えなかった」「会わない選択をした」という方もいます。様々な背景があるので、それぞれの選択が尊重されるべきだと思っています。

一概には言えませんが、「赤ちゃんと会う選択をした」ママとパパにとって、わが子を可愛がってもらえることは、素直にうれしいと感じています。ママとして誇らしい時間だったと話してくれる方も。

腫れ物に触るようでもなく、気を使いすぎることもなく、普通の赤ちゃんと同じように接してもらえることは、大きな救いとなります。

*お空の子を気に掛ける言葉

「もうすぐ1歳になるね。」

・「〇〇ちゃん(お空の子)のこと忘れないよ。」

・「赤ちゃんのお名前は?」

・「赤ちゃんの写真見せて。」(こんなにかわいいのに自分からは見せられなかった。)

⇒気を遣って何も聞かれない方が、なかったことになるみたいで悲しいという声が多く、お空の子が話題に上がることは素直にうれしいと感じています。

多くの人がかわいいわが子の話をするのと同じように、お空の子の話を聞いてほしいと願う当事者もいます。

全員が同じ考えというわけではありませんが、周囲の方と当事者との関係性が深いのであれば、ぜひお空の子の話題にも触れていただけたらと思います。

④家族から貰った言葉

・「お空の子も含めて3人家族だよ。」

・(長男から)「ママがんばったね。」

・「〇〇ちゃんのお花買いに行こう。」

⇒家族みんなが一緒になってお空の子を想うこと。お空の子にとっても、家族みんなにとっても、こんなに幸せなことはありません。

家族みんなでできることはたくさんあります。一緒に季節のお花を選んだり、お空っ子スペースにおもちゃやお菓子をお迎えしても。

ママとパパ、そして家族みんなに合った想い方が見つかればと願います。

2. 救われた出来事

①わが子の存在を認めてもらえたこと

・甥っ子がゲームセンターで取ったおもちゃをお仏壇に添えてくれること。

・友人がお菓子やお土産、お花を持ってきてくれたこと。

・お空の子に名入れアイテムを作ってくれたこと。

孫のひとりとして毎年お年玉を用意してくれること。 

・出産祝いやプレゼント代をくれたこと。

・お誕生日にバースデーメッセージをくれたこと。

・お誕生日にケーキを買ってきてくれること。

・友人がお仏壇に手を合わせてくれたこと。

・両親がお花を持ってきてくれて、お線香をあげてくれたこと。

・わが子との思い出の品を並べたお空っ子スペースを褒めてくれたこと。

⇒普通の子どもたちと同じように接してもらえることに救われるという声が多く届きました。

わが子のために、お菓子やおもちゃ、お花などを用意してもらえることは本当に嬉しいです。

手元供養として、わが子と一緒に自宅で過ごしている方は、お空っ子スペース(メモリアル品や思い出の品を並べたスペース、お仏壇など)を作っている方が多いです。

その大切なスペースに手を合わせたり、お花を添えたりしてもらえることは、ママとパパにとって心から幸せだと感じられる瞬間です。

お空っ子スペース

②当事者同士繋がれたこと

・Instagramを通して天使ママさんたちと繋がれたこと。

・当事者が集まるピアサポートグループで居場所が見つかったこと。

・死産を経験をした助産師さんからお手紙が届いたこと。

⇒周りを見わたせば順調に妊娠して子育てをしている人ばかり。現実世界では孤独を感じることが多いのも事実です。

それでも今は、SNSなどを通して、当事者同士が、悲しみを共有でき、お互いに助け合うこともできます。

それぞれのママとパパが抱える背景も異なり、わが子とお別れすることになった経緯も様々であるため、自分と全く同じ経験をした当事者というわけではないものの、喪失を経験したもの同士の繋がりは温かく、救われることがたくさんあります。

以上、【嬉しかった言葉、救われた出来事】について、当事者の声を記しました。

一言で喪失といっても、その背景も言葉の受け取り方も様々です。

正解、不正解がなく、難しい問題だと感じています。

番外編として【特に意見が分かれた言葉】についても以下にまとめます。

▼番外編

1. 特に意見が分かれた言葉

①お空に忘れ物をしてきたんだよ

流産や死産などで、赤ちゃんがお空へ旅立ったことについて、「赤ちゃんがお空に忘れ物を取りに帰ったんだよ」という表現をすることがあります。

「この言葉に救われた。」「心が軽くなった。」と感じるママとパパもいますし、「忘れ物を取りに帰らず一緒に居たかった」と感じるママとパパも。

また、赤ちゃんが旅立った原因が母体要因(子宮内感染など)である場合は特に、適切ではないと感じる方がいました。

②気持ち分かるよ

この言葉は、傷ついた言葉、嬉しかった言葉どちらにも挙がり、解釈の仕方が人それぞれであることを実感しました。

当事者以外の方から「気持ち分かるよ。」と言われて悲しかったという声は多かったのですが、とても意外だったことは、当事者間であっても、喪失の経緯によっては、傷つける可能性があるということ。

ママとパパが抱える苦しみ、わが子とお別れすることになった理由はそれぞれあり、同じ経験をした当事者に出会うことはほとんどありません。

喪失理由も、早期流産、後期流産、人工流産、人工死産、死産、新生児死、乳児死…と様々です。

当事者同士の会話の中で、気持ちを分かってくれて救われた」という声が多い一方で、流産と死産の辛さは違うと思う」との声が少数あったことも事実です

一部ショッキングな内容もあったと思います。

わたしたちのもとへ届く膨大な数の当事者の「リアルな声」。忖度することなく、ありのままの当事者のママ・パパから届いた声を記載しました。

▼まとめ

以上、たくさんのママとパパから、大切なご経験を教えていただきました。

これからも情報は都度アップデートしていきます。


ありのままの当事者の声を記載しましたが、すべてが全員に当てはまることではありません。

お空の子の話題については、素直にうれしいという方が多かったですが、触れられたくないという方もいます。

当事者との関係性上、許されるのであれば、「傷つけたくないから、どんなふうに接したらいいか教えてほしい」とあらかじめ聞くことも選択肢のひとつです。


この記事を参考に、当事者の周りにいる方が、当事者の想いを知るきっかけになれば幸いです。

また、知っていただくことで、これから傷を受けるママとパパを減らすことができると考えています


この記事を通して、お空に子どもをもつすべてのママとパパが、過ごしやすい社会になりますように。

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