①死産することが決まった後も、なかなか現実を受け止められず体が動かず、骨壷などのお別れの準備が進みませんでした。結局、メモリアル品の購入ができたのは、入院が間近に迫ってからになりました。時間のない中、急いで間に合わせてくださり本当に感謝しております。今は、私の枕の横に骨壷を置き、毎日添い寝しています。
②人工流産すると決めたわが子との向き合い方。手術までの過ごし方。
私は、娘がお腹の中でしか生きられないこと、万が一生まれることができたとしても、生命維持の機械に囲まれて短い命を終えること、羊水過少かつ全身浮腫が酷く、癒着したり、母体が合併症を起こす危険性があること、次の妊娠に影響する可能性があることなどを理由に、人工流産を決めました。
羊水検査の結果、娘は通常型のターナー症候群でした。12週の妊婦健診でNTを指摘されてから2ヶ月間、いつ流産してもおかしくない状況と言われ、職場で破水してしまう恐怖もあり、仕事にも行くことができず、毎日泣き、悩み続けました。その間、大阪の喜連瓜破にある超音波クリニックに、夫とふたりで週に2日エコーで娘に会いに行きました。症状が段々と悪化する娘の様子をふたりで見守り続けました。
私は自分の体にリスクがあろうとも娘の頑張りを最後まで見届けたいという気持ちでしたが、夫は、娘だけでなく私まで失う可能性があるとなれば、妊娠継続は選べないという判断でした。私も夫の立場であれば、夫だけは失えないと、同じ判断をするだろうなと思い、最終的に人工流産を決めました。
病院の先生に、「『中絶』と思わなくていいです。きれいな状態で産んであげられるのは今だけだと思います。『早く産んであげる』んですよ」と言っていただいたことが救いでした。
突然の流産や死産は、計り知れないショックと喪失感だと思います。これまで生きてきた世界から無慈悲に、何の前触れもなく弾き出されたような気持ちで、茫然自失の極地だと思います。
一方で、私たち夫婦が経験した人工流産は、時間をかけた段階的な喪失です。今は、時間をかけて向き合い続けたことに大きな意味があったのだと思えます。
決断までの2ヶ月間、どう過ごせばよいのかわからず、泣き疲れて布団の中でグルグルと同じことを考え続け、悩んでばかりでしたが、子どものことを想い、何かをしてあげられたという気持ちを持てる過ごし方を、今後同じような経験をされる方に共有できたらと思います。特に何もできなくても、悲しみ尽くし、考え尽くしたと思えることが、心の回復に大きく貢献すると思いました。
夫の理解や共感が得られている方の場合は、手術の際に夫が付き添い入院することも、妻の精神面での回復が早くなるかもしれないと感じました。もちろん仕事の都合がつけばですが、妻の心の回復と仕事を休むことを天秤にかけ、どちらが長期的にみて有益であるか慎重に考えていただきたいです。妻にとって、死にたい、お腹の子どもに一緒に連れていってほしいと思うほどの苦痛のときです。妻を守りたいと思う方は、この期間こそ、ここぞのときです。
また、手術するまで、赤ちゃんのお顔を見ると余計つらくなるとばかり思い、写真を残すかどうか迷っておりましたが、赤ちゃんのお顔を見た瞬間、どうしても残したいと思いました。絶対に一生忘れたくないと思いました。一眼レフでもスマホでも沢山撮り、親子三人でも撮りました。
たくさん触れて、抱っこして、母乳もあげて、乾燥しないようボディクリームも塗って…。絵本を読み聞かせたり、私たち夫婦の結婚式や前撮りのアルバムを見せたり…胸の奥は張り裂けそうなくらい痛かったですが、本当に本当に幸せな時間でした。
娘のお顔を見るまでは、全く予想もしていなかった感情でした。
だからこそ、手術前がどんな気持ちであっても、思い出を残せる準備しておくことを強くお勧めしたいです。
どんな理由があろうとも人工流産をすることに抵抗があり、後ろめたく思い、だれかに気持ちを吐露すること叶わない人は沢山いると思います。私もその一人です。
死産や流産をした方やしょうがいを持つお子さんの親御さんと自身とを比べ、自分を卑下してしまう方もいると思います。
思い悩む期間があり、限られた時間の中で重い決断を迫られる方に、少しでも後悔を減らせるようご発信いただけるとうれしいです。